アイドルの和田彩花さん

2019年6月に15年間在籍したアンジュルム及びハロープロジェクトを卒業した
和田彩花さん。

アイドル活動の傍ら大学、大学院で学んだ美術にも強い関心を寄せ、
美術に関する連載やイベント出演も多数行ってらっしゃいます。

この後は和田彩花さんにアートのお話やくつろぎ時間のお話を伺います。

ナビゲーター 長谷川 ミラさん

1997年7月7日生まれ、南アフリカとのハーフでロンドンの美大(セントラル・セント・マーチンズ)に在籍する現役大学生!(現在休学中) 2017年より自身のブランド「JAMESIE」を立ち上げ若者に大人気。自身のライフスタイルを発信するYoutubeチャンネルも話題。

ナビゲーター 長谷川 ミラさん

ー今夜のゲストはアイドルの和田彩花さんです。よろしくお願いします。

ゲスト 和田彩花さん(以下、和田)よろしくお願いします。

ー先ほどご紹介させて頂きましたが、何歳の時からアイドルとして活動されていますか?

和田 研修生になったのが小学校4年生で、そこから研修活動をしていたのですが、デビューしたのが高校1年生なので、実際は多分10年くらいですね。

ーで、今はアートに関するイベントや連載をされていらっしゃいますが、アートにハマったきっかけは?

和田 きっかけは高校1年生の時に、出身が群馬なので、仕事の時は群馬から東京に通っていて、その時、仕事の時間を間違えてしまったんですよ。

空白の時間ができちゃったから、お母さんと一緒に暇つぶしに行こうということで美術館に行ったんですね。東京駅の近くにある三菱一号館美術館っていう美術館がオープンの年で、駅中にポスターが貼られていて。時間があるからポスターの所に行こうってなって行ったのが、「マネとモダン・パリ展」っていう展覧会だったんですね。

エドゥアール・マネという19世紀のフランスで活躍した画家の展覧会だったんですけど、そこでマネの作品を見たり、マネの人生にちょっと触れるだけでなんかすごいなと思って。

すごいなって思ったのはまず芸術家っていう存在自体が面白いと思ったし、例えば作品発表して批判されてしまった時に自分の手で半分に作品切っちゃったりしていて、その下半分の残った部分が展示されていたりしたんですよ。

キャプションとかでそういう説明が出ているので、そういうのを読んで、まず芸術家って超面白いなってちょっと興味を持ちました。

でも一番衝撃的だったのが、私の中で、単純に絵画ってカラフルなイメージがあったし、綺麗なものを描くものと思っていたんです。

美術って美しいみたいなイメージだったけど、実際観ていくとマネの絵画っていうのは、すごく黒色を多用するし、描いているテーマも別に美しくなくて。人が死んじゃった絵とか、普通に倒れている絵、闘牛をして倒れちゃったその男性の姿を大画面で、倒れている人だけを描くんです。

もうそれが衝撃的すぎて、なんか絵画って面白いなと思い始めて、そこから頻繁に美術館に通うようになりました、これがきっかけです。

ーすごいきっかけですね。記事で拝見したのですが、そのマネの展覧会のポスターをもらってお部屋にもたくさん飾っているとか?

和田 前にそこの館長さんだった方と仲良くさせて頂いていて、会う度にいつもその時のポスターをたくさん下さるんです。

ー大学と大学院でも美術を。先ほどの経験から大学で学びたいなと思ったのでしょうか。

和田 そうです。当時高校一年生だったんですけど、描くっていうよりも、単純に見ることが好きで。

それでずっと展覧会を観ていて、自分で本を読み始めて、いろいろ図録を買ったりして、美術が面白いと思うようになっていたら、当時のマネージャーさんが美術史っていうか学問があるって教えてくれて。

女性のマネージャーさんだったんですけど、その方も大学に行っていて、身近で、そうやって学んでいる人も居たので、そこから吸収して、自分も大学に行こうとすんなり思いました。

ーなかなか若いうちから芸能界いると大学に行こうと思うきっかけが少ないと思うんですけど、

和田 ないですよね。けど私は身近にそういうことがあったので、自然な流れで、だったら美術史やろうと思って。高校2年生ぐらいからずっと美術史やりたいっていう夢持っていました。

ー大学と大学院で、主に美術史を学ばれていたんですね?

和田 私の専門は、19世紀のフランスの絵画なんですけども、いわゆる近代絵画って言われていて、モダンアートとも言われています。

私が大好きな、一番初めに観たマネっていう画家から始まる近代の絵画ですね。

ーマネも近代絵画の父と呼ばれている方なんですよね?マネをはじめ他にも、この時代の特徴的なアーティストには、例えばどんな方がいらっしゃいますか?

和田 マネに先行する画家だとクールベだったり、その前はドラクロワっていう人がいたり、そこからちょっとずつ時代的にも近代に流れがなっていくじゃないですか。

美術の世界もそれに伴って近代化していくので、その動きを私は画家を通してずっと見ていたりします。

例えば、それまでの絵画の世界って、描くテーマが神話とか、聖書の物語とかを描くっていうのが主な、伝統的で権威あるテーマだったんです。

もちろん画家っていうのは、賞を受賞すること、賞に選ばれることとかを目標にしているから、そのためには権威ある歴史があるテーマを、大画面のキャンバスで描く技術を持たないといけなくて。もし女性のヌードを描くのであれば、神話とか聖書の中の話から引っ張って、それを元に描かないといけないというルールがあったけど、でもそれは暗黙のルールで、みんながなんとなく共有しているっていうもので。でも、マネはそういった伝統とか、ヒエラルキー的な、絵画の中にあるヒエラルキーとかっていうよりも、もっともっと現実という部分に目を向けていった画家なので、マネは高級娼婦を描いたんですね、絵の中で。

絵の中でヌードを扱うっていうことは、神話とか聖書の中の話を用いて、でも高級娼婦としてそれを描いてしまったので、それが物凄い批判を浴びて、スキャンダラスなイメージが広まって、さらに描くテーマもそうだけど、描き方っていうのでも結構批判浴びたんですよ。

例えば、伝統的にはすごく立体的で、とにかく美しく仕上げることが一番とされている価値観がある中で、マネって別に美しく仕上げることとかも全然しなかったんですね。

絵の具を塗った後を残したままだったり、または立体的に画面をつくるってことをしないので、平面的なんですよ。例えば体のヌードを描くにしても影がついてないからペラっとしたようなイメージで、でもそれも技術の近代化っていう風に言えると思います。

ー確かにヨーロッパの絵画とかって影とかというものがかなり味となっていて、日本だと浮世絵とか平面的な描き方ですが、マネからが影がなくなってきたんですか?

和田 マネからっていうよりは、先行するクールベとか、その前にリアリズムっていう流れが、結構現実に目を向ける、そういう流れがあるんですが、でもマネと同世代だと、やっぱり日本からも浮世絵とかが入ってきたりするんですよ。そういうので多分外からも文化が入ってきたんでしょうね。

ー1曲お送りした後に引き続き和田彩花さんにお話を伺います。