フランスの風
シトロエンのある景色を旅しよう
洗練されたパリの風景をはじめ、美しく雄大な田園都市、風光明媚な港町など、
フランス各地の「今」を季節感あふれる写真で旅しませんか?
歩く目線で、車の視線で、フランスの風をお届けします。
町の暮らしにとけこむシトロエンの姿もお楽しみに。
ワイン好きもそうではない人もよくご存知の、フランス南西部にある港町ボルドー。パリから車で約6時間、TGV(高速鉄道)で約2時間、飛行機ではシャルル・ド・ゴール空港からボルドー・メリニャック空港まで約1時間で行けるのも魅力です。
人口25万人のこの街は、以前から常に住みたい街の上位にランキングされています。
温暖な気候、トラムや自転車などでも生活しやすく整備された美しい街で、ガロンヌ川沿いの景色はあまりに美しく、ユネスコの世界遺産にも登録されました。
ボルドーといえば、世界的に有名なワインの産地で、スペインにも続くガロンヌ川に面した港町です。市街地が川に沿って湾曲して形成されたことにより、三日月型になっており月の港とも呼ばれています。
ローマ帝国に占領された時代から交易港として栄え、それは紀元前1世紀前にも遡ります。その後ワイン造りも始まり、イギリス領となった12世紀以降は、ワインの輸出によって繁栄。さらに18世紀になると西インド諸島との中継貿易の拠点となり黄金時代を迎えます。
また18世紀に整備された美しい街並みと新古典様式の建造物など、歴史的にも重要な建物をいくつも抱える街でもあります。
街の中心地には「Place de la Bourse(ブルス広場)」があります。何世紀も前から街にやって来る人々を迎え入れる場所として人々に愛されてきました。約20年もかけて作られたこの広場は、中央に三美神の噴水が置かれています。2006年には水鏡「Miroir d’eau(ミロワール・ドー)」が、フランスの景観デザイナー、ミシェル・コラジュによって作られました。巨大な敷石の上には水と霧が織りなす幻想的な世界を見ることができます。晴れている日と曇りの日、朝と夜など時間によって違った顔を見せてくれるのも魅力のひとつです。
ボルドーには7つの橋が掛かっています。その中でも最初にできたのが、ナポレオンの命を受けて建設された「Pont de Pierre(ポン・ド・ピエール)」です。旧市街と右岸を繋ぐ美しいこの橋は、ナポレオンの名前(Napoléon Bonaparte)の文字数に合わせて17のアーチがあると言われています。歩道と車道、2004年からはトラムの車線もできたこの橋は、街の人々の生活を支えています。
ボルドーの中心地に位置するインターコンチネンタルホテルのなかにあるレストラン、LE BORDEAUX(ル・ボルドー)では、地元の陸の幸と海の幸をふんだんに使った郷土料理を楽しむことができます。もちろんワインリストはとっておき、ワインギークも満足のお店です。
この日チョイスしたのは、季節のガスパチョ、キャップフェレット産の牡蠣、牛のタルタルとマテ貝、タコのグリルのパスタ添え。
LE BORDEAUX
Pl. de la Comédie, 33000 Bordeaux
bordeaux.intercontinental.com/le-bordeaux/
市内の中心にあるフランス最古の鐘楼のひとつ「Grosse Cloche/ボルドーの大鐘楼」(1775年建設)。城門にある重さ7750キロもある大きな鐘は、毎月第一日曜日の正午に街中に美しい鐘の音を響かせます。
また、ここは監獄としても使用されていたため今も牢屋が残っており、フランス語対応のみですが、独房をガイドと共に回ることもできます。
ワインで有名なこの地域には、偉大な畑もいくつかあります。その頂点に立ち世界中のワイン好きの間で常に注目されている「5大シャトー」。
それらのシャトーの広大な畑は、ジロンド川、ガロンヌ川、そしてドルドーニュ川という3つの河の沿岸に広がっています。
ボルドー地域の今年の収穫はほとんど終わりました、今年も悪くない収穫量とのこと。今からワインが楽しみです!ワイナリーによっては見学もできるので、ボルドーへ来た際には醸造の見学やテイスティングをぜひお試しください。
フランス菓子として誰もが知っているカヌレは、ボルドーが発祥です。
おそらく16世紀から18世紀ごろのこと。
ワインを造る工程で出る澱(おり)を除去するために卵白を使うのですが、残った黄身を何かに使えないか・・・ということで生まれたのがカヌレだと言われています。
また、発祥は修道院というのが有力で、当時盛んだった貿易の品々にラム酒やバニラがあり、それらも使われていたようです。カヌレにはボルドーの長い歴史が詰まっています。
La Toque Cuivrée
38 Pl. Gambetta, 33000 Bordeaux
www.la-toque-cuivree.fr
さて、ボルドーの旅はいかがでしたか?ワインに加えて、歴史的な建物であふれる街の魅力が伝わったでしょうか。シトロエンとの旅はこの先も続きます。また次の街でお会いしましょう。
文:Chisa Mizushima
撮影:KOS-CREA