余計なものを削ぎ落としたかのようにシンプルなラインが魅力のCITROËN ZX。オーナーになって30年という平井さんは「海沿いの道を一生懸命走る姿がかわいくて仕方ない。街なかも走りやすいし、運転するのがとても楽しい車です」と優しい表情で相棒を見つめます。
たまたま隣り合った2CVと並走したり、すれ違いざまに手を振ったり、乗っているだけで小さな交流が生まれるのもシトロエンの魅力だといいます。
大切な愛車を撮影してもらえるのは嬉しいと語ってくださった平井さん。穏やかで優しい人柄は「CITROËN ZXの走りと似ている気がします」と奥さまが評するほど。ぴたりと呼吸の合うオーナー×愛車の日常をうかがいました。
ビビッときた出会い、そして「濃いイベント」のこと
シトロエンとの出会いを教えてください。
欧州車で手頃なやつがないかなと思って探していたんです。うちの近所にユーノスがあって、ふらっと入るとこいつがいたんです。そこでビビッときましてね。
変にこう頑張っていないところがいいですね。どこも角張っていなくて、すっと溶け込んで。すっきりしていて飽きないんです。必要なものしか付いていないですから。それが好きですね。
乗り心地はいかがですか?
硬くもなく柔らかくもなく、何とも言えない上品なシートで、どんどん乗っても疲れません。街なかでも普通に走れる車なので、そこらへんがすごい魅力ですね。
シトロエンならではのエピソードは?
シトロエンゲームラリーというイベントがありまして。コマ図に従ってシトロエンが30台ぐらい山の中をまわっていくんです。買った年にそういうイベントがあるというので行ってみたのですが、蓋を開けたら「うわぁ、濃いぞこれ」っていう感じですね。「こういう世界があるんだ」と思って。今は、やっていないのが残念なんですけど、面白かったですよね。
丁寧なメンテナンスで、シトロエンの魅力を満喫
メンテナンスはどうされていますか?
車30年乗っているとそれなりに不具合もあるので、主治医みたいな存在の「原工房」さんにお世話になっています。車の症状とかちゃんと把握して、直してあげると緩んでいた感じが締まって帰ってくるんですよね。
うまくメンテナンスしてくれるから、30年間乗ってこられたんだなと思います。
シトロエンに乗る魅力は?
ZXに乗っていると、ほかのシトロエンと一緒になったときにアイコンタクトをしたり、手を振ったり、そういう仲間ができます。それは楽しいですよね。
30年間乗り続けている愛車への想い
長年の相棒に対して、想うことは?
なんで今まで30年もこの車に乗ってきたんだろうと振り返ってみると、やっぱり優しいんですよね。乗れば乗るほど味が出てくるんです。乗り手と車のバランスがうまく合っていたというか、そういうのがあるかもしれません。
これからも乗り続けますか?
ZXは、シトロエンの中では目立たないけれど、オーナーとしてはとても好きな車です。密かな名車なので、これからも乗って、乗り続けていきたいと思っています。
平井考志さん、あなたにとってシトロエンとは?
「日常生活を豊かにしてくれる存在です」
取材協力
原工房
平井さんが「僕の車の主治医です」と信頼を寄せる、東京・江戸川区の原工房。フランス車が日本に根付く前の黎明期から約40年にわたって、プジョー、シトロエン、ルノーの販売・整備・修理・車検・板金塗装などを手がけています。スタッフはこの道20年以上の強者揃いで、販売する車のラインナップも魅力的。アットホームな雰囲気も好評で、フランス車好きにはたまらない場所です。