フランスの風

フランスで最長の河川であるロワール川沿いにはたくさんの美しい古城が建っています。自然豊かで森も多く、昔は貴族たちが狩猟を楽しんでいたそうです。きらきらと輝く新緑のなかでのドライブは格別です。

数々の古城や庭園のほかに、豊かな自然があるのもロワール地方の魅力です。水が綺麗なことでも有名なロワール渓谷沿いには、圧倒されるほど美しい様々なお城が建っています。
また、この地方はワインづくりの歴史も古く、フランスを代表するワイン生産地のひとつでもあります。東西に広がる広大な畑では、さまざまな品種のブドウが育てられているため、ロワールのワインは多種多様な味わいです。

ルネサンス様式の最高傑作とも言われるシャンボール城は、当時国王であったフランソワ１世によって建てられました。彼はレオナルド・ダヴィンチなど数々の芸術家をイタリアから招いた王でもあり、芸術の保護育成に情熱を注ぎました。その功績から、フランソワ１世は「フランス・ルネサンスの父」とも呼ばれています。
パリほどの広さがある敷地に建てられたジャンポール城は実写版『美女と野獣』のモデルになったことでも有名です。ユネスコ世界遺産にも登録されているその城の庭に、そっとたたずむ2CVを発見しました。

この城の見どころは、設計にダヴィンチが関わったと言われる二重螺旋階段です。この階段にはふたつの入り口があり、それぞれの階段はお互いに交わることなく上に続いています。一方の階段を使うと、もう片方の階段を使っている人と出会うことなく３階へ昇り降りができるという不思議な造りになっています。

城内では、サラマンダー（火とかげ）の装飾を見ることができます。フランソワ１世の紋章として使われているサラマンダーは火の精霊。天井や外壁には、火を吐くサラマンダーや水を吐き、火を消すサラマンダーの装飾が刻まれています。

Château de Chambord
Château, 41250 Chambord
www.chambord.org

シャンボール城から程近く、ロワール川の右岸にはブロワ Bloisという街があります。
この街を流れるロワール川に掛かるジャック・ガブリエル橋は、数百年に渡り増築が繰り返されています。また、ゴシック・ルネサンス・バロックと建築様式の変遷を見ることができるブロア城など、小さな旧市街地には見どころがたくさんあります。

ブロアは、近代奇術の父と呼ばれたロベール＝ウーダンが生まれた街でもあります。メゾン・ドゥ・ラ・マジ（Maison de la magie）と呼ばれる博物館では、一時間に一度、窓からドラゴンが出てきて人々を驚かせます。

ブロアを訪れたならば、Le Casteletでお食事を。ここではロワール・トゥレーヌ地方の中世の料理からインスピレーションを受けた、環境と健康に配慮し地元の食材を使うことを大切にしている料理を楽しむことができます。
郷土料理のひとつであるRillon de Touraineは、豚バラ肉をスパイスで味付けし焼き上げ、砂糖漬けにしたもの。賞味期限が短いため、県外ではなかなか食べることができません。

Le Castelet
40 Rue Saint-Lubin, 41000 Blois

ロワール川の支流であるシェール川にまたがるように建てられたシュノンソー城。この白く優美な城は、6人の女性が代々城主であったため「6人の奥方の城」とも呼ばれています。ロワールにある古城の中でも特に人気で、2000年には世界遺産にも登録されました。
城を象徴する「ギャラリー」と呼ばれる橋上宮殿は、第二次世界大戦中にドイツ軍により一部占領された歴史もあります。この城にはふたつのフランス式庭園が対峙しており、それも見どころです。

Château de Chenonceau
37150 Chenonceaux
www.chenonceau.com

フランスの歴史と切り離すことのできないアンボワーズ城は、数々のフランスの王様たちが幼少期を過ごした場所。この建物はルネサンス建築発祥の地と言われ、城内では王族の豪華絢爛な日常の跡を見ることができます。また、ダヴィンチゆかりの城としても有名で、彼は礼拝堂で今も眠っています。

Château Royal d’Amboise
Mnt de l’Emir Abd el Kader, 37400 Amboise
www.chateau-amboise.com