長岡 亮介(ながおか・りょうすけ)

長岡 亮介(ながおか・りょうすけ)

神出鬼没の音楽家。ギタリストとしての活動の他にもプロデュース、楽曲提供など活動は多岐にわたる。「ペトロールズ」の歌とギター担当。

フルゴネットとは

フランス語でライトバンという意味。たっぷりいろいろ積み込むことができる、荷室を持ったクルマのこと。シトロエンでは2CV をベースに、2CV FOURGONNETTEが有名で、多くの人々の生活に彩を加えました。

10月22日OA

30回目の放送となる今回は、外ラジオ。リスナーの皆さんを蓄音機の世界に誘いました。

都内某所「FOURGONNETTE」と名付けられた’特別な場所’からお届けする番組です。
30回目の放送となる今回は、外ラジオ。リスナーの皆さんを蓄音機の世界に誘いました。

蓄音機とは何ぞや?! 今日は久々の外ラジオです。

以前から長岡亮介が気になっていた、蓄音機。今回は早速、蓄音機の世界にどっぷり浸かろうと都内某所のあるところへお邪魔しました。その場所というのは、インターメディアテク! 東京駅前の「KITTE」内にある博物館です。この場所は旧東京中央郵便局の局舎。立派な蓄音器や、歴史的に価値の高い色んなものがコレクションされているんです。

今夜はインターメディアテクから蓄音機の魅力について掘り下げていこうと思います!

インターメディアテクって一体?!

インターメディアテクとは、東京大学の学術標本コレクションを展示している博物館。今回お話を聞いた大澤さんは声からも伝わるように非常にダンディで博識のあるお方で、元々はフランスの大学に行っていましたが、その後、日本へ来て東京大学に入り、学生の頃、この東京大学総合研究博物館に進まれた方なんです。

博物館の中を一緒に回りながら、お話を聞かせていただいていると、目に飛び込んだのはトーマス・エジソンが創業したエジソン社から出された蓄音機ケース。興味津々な長岡亮介の様子が声から伝わってくるのではないでしょうか。

ちなみによく見るとレコードらしきものはなく、筒状の物がレコードになっています。
シリンダーと言うそうで、これが蓄音機の原型とされているのだとか。

蓄音機はトーマス・エジソンが発明したとされており、19世紀(1870年代)終わり頃に生み出されたものなんだとか。ちなみに当初は音楽再生が主な目的で作られたのではなく、今で言うIC解像度やマルチメディアの教材などを意識して発明されたと言われているようです。

「音楽観賞用の機械だと思っていた」と長岡も蓄音機の当初の用途に驚きを隠せないご様子。

実際に蓄音機の音を感じてみよう!

たくさんの蓄音機が並ぶ、インターメディアテク。次に見せていただいたのが、Victor系列のVictrolaから出た「クレデンザ」という蓄音機。木製のような佇まいながら、後ろに巨大なラッパが内蔵されています。そして驚きなのは、蓄音機は電気を使わないということ。ゼンマイ式でレコードの針は使い捨てなんです。その理由は“摩擦によって針が消耗し、レコードも傷んでしまう”から。「でもそこにもロマンがありますよね」と大澤さん。

長岡も「なるほどな〜」と感慨深そう。

そしてここで1曲聴かせていただきました。

「Hee-Bee Jee -Bees / Louis Armstrong & His Hot Five」

ゼンマイを巻く一手間に、針がレコードに乗り、音が出る。
リスナーの皆さんはどのように音を聴かれたのでしょう……。

次に見せていただいたのは、EMGという会社から発売された「マーク9」。
1930年代後半の蓄音機でシンプルな箱型のモデルです。
巨大なホーンが装着されており、ホーンはなんと紙製。紙をリサイクルなんてSDGs感がありますね。逸話では、ロンドンの古い電話帳をリサイクルして作られたようです。

ここでまた1曲と思いきや、音が一旦停止する一幕も。
何やらトルクが足りなかったようで……。

ここにある蓄音機コレクションをメンテナンスされているのはマック杉崎さんという方。日本では蓄音機研究の第一人者なんだとか。そんなマック杉崎さん曰く、蓄音機は大半のものが100年近く前のもの。気まぐれな老人なのでいつどう反応するか分からないとのこと。例えが秀逸です。

ここでは「I Got It Bad / Ella Fitzgerald」を聴かせていただきました。
本当に目の前で歌っているかのような錯覚に陥る不思議な感覚。
ステレオで聴くものとは異なり、蓄音機ならではのライブ感を味わうことができました。

貴重なお話と貴重な音源

そのほかにも、ジャズの伝説的なギター奏者、Charlie Christianがライブで録音したものをSP盤で聴かせていただく一幕も。とても貴重な経験をありがとうございます!

本日貴重なお話をしていただいた、大澤さんは大学博物館にて、美術史学と美学の研究をされているそう。そしてジャズが元々大好きで、特にジャズのレコード史も研究されています。

最後に「蓄音機とは私たちにどういう出会いを与えてくれるもの?」と質問してみると、

普段はストリーミングやデジタルで音楽を聴くようになりましたが、曲を垂れ流すようになっている。蓄音機は物として美しく迫力があるので圧倒されるもの。そしてそこから出てくる厚みのある音が「音楽鑑賞とは?」というものを再び体験させてくれるものであり、普段我々が接している音楽体験とは異次元のものだと。可能であればたくさんの人に体験してほしいとお話してくれました。

貴重なお話と体験をありがとうございました。
リスナーの皆さんはどのように音を聴いたのでしょうか。
FOURGONNETTE的には最高傑作だと自負しております(笑)。

それでは、今回はこの辺りで!
蓄音機の音の感想、お待ちしております!

来週の放送もお楽しみに!

オンエア楽曲

ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ(New Recording) / Original Love
Hee-Bee Jee-Bees / Louis Armstrong & His Hot Five
I Got It Bad / Ella Fitzgerald
Stompin at the Savoy(part1) / Charlie Christian
Stompin at the Savoy(part2) / Charlie Christian

グーグルマップ

本日のライナーノーツ

蓄音機:円盤レコードの溝に針を接触させ、録音した音を再生する装置。回転台・ピックアップ・サウンドボックスからなる。1877年、エジソンが発明。再生は、はじめ針の振動を機械的に増幅して振動板に伝える方式で、のちに、針の振動を電気信号に変換して行われるようになった。(goo辞書参照)と辞書には書いてある。ただ、蓄音機って実際に音を聴いたことはないし、どこか今の生活からは程遠いような存在……。でも今回はそんな蓄音機の魅力にフォーカスする外ラジオなんです。長岡さんが気になると言うものだからFOURGONNETTEチームはすぐにいい場所を見つけましたよ。

今回お邪魔したのは、東京駅のすぐ近く、「KITTE」の中にある博物館“インターメディアテク”。ここは東京大学の学術標本コレクションを展示している博物館で、動物の標本や医療にまつわるさまざまなもの、そして今回フォーカスする蓄音機など、貴重な物が多く展示してあるとても素敵な場所。

そんな場所に颯爽と姿を表したのは、我が長岡亮介だ。気になっていた蓄音機の世界にどっぷり浸かれる日ということもあり、表情もどこか楽しそう。早速、今回お話をしてくださる、大澤さんと合流し、簡単な打ち合わせが始まる。

打ち合わせ中も話が止まらない大澤さんと長岡亮介。「ちょっと収録で話すことを残して置いてくださいね!」と笑顔で大澤さんに話しかける。「話し過ぎちゃうから止めてくださいね」と大澤さんも笑顔だ。打ち合わせが終わると、収録はスタート。

まずは展示を回りながら、貴重なお話を聞いていく。後ろに手を組みながら、聞きたいこと、気づいたことを矢継ぎ早に質問していく長岡。そのスピードに乗せられてか、大澤さんもスピーディに質問に答えていく。

「なるほど!」、「すごいな!」、「これはどういう蓄音機なんですか?」、「こっちは?」と閉館後の静かな“インターメディアテク”内に長岡亮介の感嘆の声と興味津々な少年のような声が響き渡る。時折、秀逸な例えで分かりやすくお話ししてくださる大澤さんに笑顔で反応する長岡。おふたりで楽しそうに会話する姿は、どこか似たもの同士のようで、共鳴し合う部分があるのだなと思わせる。

貴重なお話の数々にスタッフ一同も長岡と同様「なるほど〜」と声を漏らしそうになっている中で、ついに実際に蓄音機の音を体験する時間に!

場所を小さな講堂のような場所に移し、蓄音機をセッティング。
大澤さんの「どなたか手伝ってくれませんか?」の一声に、すかさず動く長岡亮介。
大きなホーンを大澤さんと一緒に抱え、蓄音機にセットした。

ゼンマイを回して、レコードに針を落とす。ジジジジジとレコード特有の音が場を包む。
蓄音機から心地よい音色が流れ出した。長岡はホーンの前に立ち真剣に音を楽しんでいる。足でリズムを刻みながら、純粋に音を楽しむ姿。「うーん! 素晴らしい!」。1曲聴き終えると満足そうな表情でスタッフと目配せ。そして2曲目の鑑賞。今度は椅子に座り、ゆったりとした面持ちで音に耳を傾けている。

「なんだか、ホーンが下に繋がっていて下で演奏している人たちがいるみたいだね」、「すごいなあ」と素敵な感想。

貴重なお話の数々はぜひ、OAで確認していただきたいと思う。
ちなみに、蓄音機を発明したエジソンは、パラノーマルに興味があったらしく、死者と蓄音機を通じて話そうとしていたという大澤さんの発した豆知識に長岡を含めたスタッフ一同、驚いたという一幕もあり、蓄音機を通じてさまざまなお話が聞けたとても貴重な外ラジオでした。最後の最後まで蓄音機の臨場感ある音を楽しみ、長岡は「贅沢しちゃってごめんなさい」とひと言。

収録後には、iPhoneを取り出し、蓄音機の前で自撮りする長岡亮介でした。
もちろん片付けのときも手伝っていた長岡さん。「なんだか愛着が湧いてきちゃったよ」と声をもらし、とても楽しい収録を終えました。

ただ、終わってからも気になることは山ほどあるようで、お話は続き……。
ひょっとして、購入を検討しているのでは…?と思うくらいたくさん質問されていました。大澤さん曰く「蓄音機は興味を持ち始めたら、終わりの始まり」とのこと(笑)。

男のロマンを感じ、いい意味で変態だった外ラジオ。リスナーの皆さんにはどう聞こえたのでしょうか。是非是非、お便りで感想を教えてくださいね。

それでは、今回はこの辺りで。
来週もお楽しみに!

文:笹谷淳介