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長岡 亮介(ながおか・りょうすけ)

長岡 亮介(ながおか・りょうすけ)

神出鬼没の音楽家。ギタリストとしての活動の他にもプロデュース、楽曲提供など活動は多岐にわたる。「ペトロールズ」の歌とギター担当。

フルゴネットとは

フランス語でライトバンという意味。たっぷりいろいろ積み込むことができる、荷室を持ったクルマのこと。シトロエンでは2CV をベースに、2CV FOURGONNETTEが有名で、多くの人々の生活に彩を加えました。

NAGAOKA RYOSUKE

7月20日OA

121回目の放送となる今回は、イラストレーターのソリマチアキラさんをゲストにお迎えしました。


都内某所「FOURGONNETTE」と名付けられた’特別な場所’からお届けする番組です。
121回目の放送となる今回は、イラストレーターのソリマチアキラさんをゲストにお迎えしました。

ひんやりとした小話をひとつ…。

さて、今日は7月20日ですけども、その昔は今日が海の日でした。
今は、7月の第3月曜なので、この前の月曜がそうだったんですけども、7月20日が海の日でしたね、確かに。

なので、そんな海の日に送る放送ということで、サーフギター鳴りまくりの音楽特集でしたけども、楽しんでいただけましたか?

曲が短くて、いっぱい選びましたね(笑)。そして毎日毎日、暑い暑いと言葉が飛び交っています。

僕の最近、ひんやりとした小話。
DJをやることになって、ちょっとひんやりしております。やったことがないので緊張しています! 冷や汗という感じ。音が止まらないように頑張りたいなと思いますけど。

さて、今夜のFOURGONNETTEは素敵なゲストをお迎えします!
その方とは、イラストレーターのソリマチアキラさん!
雑誌の挿絵、本の装丁、広告のお仕事、いろんなところで見かけるソリマチさんのイラスト!

ソリマチさんのイラストは、シュッとして可愛くて品があるという感じですけどもね!
何を言ってんだという感じですけども、僕はモデルのお仕事を2人でやったりしたことがあるんです。その時が初めてでしたけど、カッコいいんですよ!

佇まい、おっしゃる言葉もカッコいいので、皆さんも味わってみてください!
そんなイラストレーターのソリマチアキラさん、この後早速登場です。

ソリマチアキラさんがFOURGONNETTEへ

「どうも、こんばんは! ご無沙汰しています。ありがとうございます」とソリマチさんをお迎えした長岡亮介。

何度かお会いしてことのある、お二人。
最初の出会いは2022年。洋服のモデルとしてのお仕事。
その後は、渋谷・パルコでメガネの企画。
トートバックを作っていただき、ソリマチさんのイラスト。
Amiちゃんと長岡の絵を描いたのだとか。

ソリマチさんはとてもおしゃれな方。
「モデルを2人でやったときは、いたたまれなかったんです」と一言。
今日も素敵な装い。開襟シャツにベージュのパンツ。
「暑いですから、シンプルに」とソリマチさん。
「僕なんか、短パンとTシャツとビーサンなので」と長岡。

そんなオシャレなソリマチさんは、雑誌の挿絵、本の装丁、広告などの作品を数多く手掛けるイラストレーター。

どんな絵と伝えればいいのか、ちょっとキッチュな…?
「レトロな感じ、コミカルでありながら少しファッショナブルな感じを目指している」とソリマチさん。

ソリマチさんは子供の頃から落書き好き。
小学校の高学年ごろになると、自分流、オリジナルのような絵を発見。
音楽にも興味を持ち始めて、ビートルズを好きになり、ご自身でもギターを弾いてみたり。
国語の教科書に、ビートルズのライブ風景をパラパラ漫画で描いて友達を喜ばせていたとのこと。

ソリマチさんは30年以上、イラストレーターのお仕事をされていますが、いちばん描いてきたものとは…?

「やっていていちばんやる気が出るのは、広告のキャラクター、雑誌、90年代くらいからイラストの仕事を始めて、94〜95年からファッション誌の依頼が来るようになって。そこからファッション画を勉強して、描くようになって、それも面白い分野だなと」

人とキャラクターと、そこにファッショナブルなニュアンスを入れていくのが楽しい。

冒頭から、トークに花が咲く、お二人。
ユースカルチャー、洋服や音楽にも詳しい、ソリマチさん。
ファッションと音楽が結びついているというお話も大変興味深いです。

クルマの話、ソリマチさんの哲学

クルマもお好きな、ソリマチさん。
そんな、ソリマチさんがお乗りの車は82年式のドイツ車。直しながら乗っていたら手放せなくなったのだそう。
長岡は「すごく素敵なことだと思います」とひと言。

お話は、チャールズ皇太子の言葉、「買うなら一度だけ、良いものを買え(Buy Once, Buy well.)」というフレーズから。

この言葉に以前、お仕事をしたときに何て素敵な言葉なんだろうと思ったという長岡。

ソリマチさんはこの言葉のような、物との付き合い方が好き。
修理しながら使っていく楽しみ、そういうものが好き。

今の世の中は、逆の流れ。消費しないと社会が回らない。

チャールズ国王は、気に入ったものはスーツから靴から全て継ぎはぎして30年、40年使い続ける。そういうところに影響を受けたいなとソリマチさん。

物を手に入れたら、捨てたくないなと思うんですと長岡。
「そういうことを言っているから、ギターが溜まっていって仕方がないんです」

「使っていけばいくほど、例えば小さいときに使っていたグローブ。
使えば使うほど自分に馴染んでくる。そういう楽しみ。
例えば、木のものであれば、艶が増していく、そういうった部分の楽しみがあると思う。
そこに到達するまでに捨ててしまうのは非常に勿体無い」とソリマチさん

今後、イラストを描くうえで大事にしていきたいことは?と長岡亮介が問うと。
「楽しく没頭できる仕事。イラストを選んだ原点がそこなので、疲れを忘れるほど楽しめるという、ゾーンに入っちゃう、そういう感覚で仕事が出来ていけばいいかなと思っています」

最近のご活動としては、EDIFICEにて
パリのアーティスト、セルジュ・ゲンズブールをモチーフにしたTシャツを製作されたそうです。

イラストレーターのソリマチアキラさんをお迎えしました。

長岡の感想は、会うのは何度目か。
人生って人それぞれだなと感じましたとのこと。

みなさんもぜひソリマチさんのイラストに触れてみてくださいね。

番組では引き続き、みなさんからのメッセージ、お待ちしています。番組を聴いて思ったこと、私への質問、この夏のこと、ドライブや旅行、シトロエンのある風景のお話など、メッセージはこの番組のサイトからお送りください。

それでは、来週の放送もお楽しみに!

オンエア楽曲

3 And 1 Mozambique / Bobby Cruz & Ricardo Ray
Around And Around / Chuck Berry
Lullaby of Birdland / Cal TJader
Since You Came Into My Life / J.C. Lodge & Sugar Minott

本日のライナーノーツ

先週の「サーフィン・エレキ」大特集、いかがでしたか? この季節にぴったりの選曲。暑さを吹き飛ばしてくれたでしょうか。さて、今夜は素敵なゲストをお迎えする特別な回でございます。お迎えするのは、イラストレーターのソリマチアキラさん。ソリマチさんといえば、雑誌の挿絵、本の装丁、広告のお仕事など、あらゆる場面で素敵なイラストを描いておられるお方。長岡亮介とは、BAYCREW’Sの企画でモデルをご一緒されたりと、何度か交流があるのだとか。今日はどんなお話が聞けるのでしょうか。

扉が開くと、ソリマチさんがFOURGONNETTEへ。
「お久しぶりです!」と挨拶をすると、「おクルマの調子はどうですか?」と談笑を始めるお二人。楽しそうに会話するお二人。収録の打ち合わせがスタートすると、ソリマチさん、メモをカバンから取り出します。「聞かれても答えられるようにと…」とびっしりと埋め尽くされたメモ。「ありがとうございます!」と長岡は感謝の言葉を。今夜は選曲もお願いしており、「夏らしい曲を」とソリマチさん、事前に準備していただいていました。

収録のスタートは、いつものように扉から入ってくる小芝居を。
「ソリマチさんは背が高いから、頭をぶつけちゃうかもしれない」と心配する長岡。
そうなんです、ソリマチさん。高身長でとてもオシャレ! 今夜は開襟シャツにベージュのパンツ。夏らしいラフ装いながら、とてもスタイリッシュ。イラストから感じる上品さがソリマチさんのファッションからも伺えます。

収録が始まるとさまざまな質問を投げかける長岡。
イラストレーターとしての原点、音楽の話、クルマの話、そしてソリマチさんの哲学。
ここでしか聞くことができないお話をお二人はまったりとトークしています。
長岡はソリマチさんのお話に、「素晴らしいです」と聞き入っているご様子。
どこか感覚がフィールするお二人のお話にスタッフ一同、聞き入ってしまいます。

あっという間に収録の時間は流れ。
「いいお話を聞くことができました」と締めた長岡。恒例の記念撮影中も音楽のお話で盛り上がっています。耳を傾けてみると、ブーガルー、ラテン音楽についてお話で盛り上がっていましたよ。

さて、ここで今夜の感想を長岡に聞いてみましょう。

――収録お疲れ様でした! 今夜の感想をお願いします。

以前お話したときよりも2度目なので、より和やかにお話することができてよかったです。ソリマチさんは素敵ですよ。“Buy Once, Buy well.”の話を僕はしたくてね。この言葉は今の世の中に本当に必要なことなんじゃないかなって思っていて。でもそういうことを考えると、経済が立ち行かないんだろうなという気もしちゃうんですけどね。でもソリマチさんは体現されているから、素晴らしい。

あとね、ソリマチさんがクラブで遊んでいた時代に行ってみたいなって思う! 覗いでみたいです。世代はちょっと違いますけど、僕もその時代に影響されているんだろうなって思う。憧れだったなって思う。

――一貫しているところがすごくカッコいいなと思いました。

そうだよね。とても信念がある方ですよね。ちゃんと向き合っているというか、趣味とかそういうことではなく、一つのことに向き合っている。それがお仕事に繋がっている。好きな物だから頑張れる、確かにそうだなと思いました。

――お仕事に対しての考え方も素晴らしいというか。寝る間も惜しんで出来るのがイラストだった。それって好きでもなかなか出来ないじゃないですか。

ゾーンに入っちゃうって言っていましたよね。それってすごいよね。

――長岡さんは音楽をやっているとき、ゾーンに入りますか?

うーん、どうかな? 入るときはあるかもしれないです。でも、分からないですね。ゾーン甘噛みみたいな(笑)。入る時ももちろんあると思うんですけどね。

ソリマチさんのお仕事は、1人で絵を描いて、自分と向き合う。これって大変だと思うんです。僕は人と音楽をやっているからまたちょっと違うと思うんですけど、ソリマチさんは自分がOKを出すまでOKが出ないわけで。それはなかなか大変なお仕事だと思います。

――ソリマチさんと共鳴している部分がたくさんあるんだろうなと勝手ながらお話を聞いていました。

お話してて、文章にイラストを付けるときに文章に引っ張られてしまうというお話があったんですけど、「自分の色が出ないとダメなんだ」ということを言われたというのは、本当にそうだなと共感しましたね。人間の仕事はやっぱり、自分の色というものが大切なんですよね。

それでは、今回はこの辺りで。
来週のライナーノーツもお楽しみに!

文:笹谷淳介