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長岡 亮介(ながおか・りょうすけ)

長岡 亮介(ながおか・りょうすけ)

神出鬼没の音楽家。ギタリストとしての活動の他にもプロデュース、楽曲提供など活動は多岐にわたる。「ペトロールズ」の歌とギター担当。

フルゴネットとは

フランス語でライトバンという意味。たっぷりいろいろ積み込むことができる、荷室を持ったクルマのこと。シトロエンでは2CV をベースに、2CV FOURGONNETTEが有名で、多くの人々の生活に彩を加えました。

NAGAOKA RYOSUKE

8月19日OA

73回目の放送となる今回は、レコード”過剰”愛好家の綾部徹之進さんをお迎え。フランスの音楽について教えていただきました。

都内某所「FOURGONNETTE」と名付けられた’特別な場所’からお届けする番組です。
73回目の放送となる今回は、レコード”過剰”愛好家の綾部徹之進さんをお迎え。フランスの音楽について教えていただきました。

気付けば、8月も折り返し…。

なんとなく、レイドバックしたくなる時期、夏に飽きてきた頃。
なので今夜は、ゆったり、ゆっくりと古の音楽に耳を傾ける時間にしようかなと。

とてもとても、それはそれは古い音楽です。
以前、蓄音機でジャズを聴くという回もやりましたが、それよりももっと古い時代。
クラシックです。

ということで、今夜は素敵なゲストをお迎えして色々教えてもらおうと思いますが…、
お迎えするのは、レコード”過剰”愛好家の綾部徹之進さんです。

レコード愛好家ではなく、レコード”過剰”愛好家。気になりますね!
主に、ロシアや東欧のクラシックにお詳しい綾部さん。

興味が湧いて仕方がないですけども、このあと早速登場していただきます〜。

今夜のゲストは、レコード”過剰”愛好家の綾部徹之進さん

初めまして〜と挨拶を済ませ、いろいろ教えていただきたいと思ってと長岡。
全く初対面なので、緊張していますと綾部さん。

早速、気になる肩書きについて……。
直訳すると、マニア=過剰愛好家になる。
いきなりビートルズの例え話から、マニアックです……。
長岡も「あはは」と笑みが自然と出てしまっています。

過剰とは、好きな音源を何枚も持っているという意味なのだとか。
大体5〜10枚、多くて20〜30枚、1番多いのはキング・クリムゾンのレコードで50枚以上お持ちだそう! 凄すぎます!
綾部さん、1枚だけ持っているレコードはほぼないそうです!

さすがだな〜! 盛り上がってきたな!と長岡も興奮!

ロックやジャズを掘り下げていって、20代後半でクラシック音楽に出会った綾部さん。
生活費のほとんどをレコードに使っていたのだとか。

主にロシアや東欧のクラシックに大変詳しく、レアなコレクションを膨大に所有されています。そんな綾部さんの所有のレコードは2万枚ほど。しかし、世界のコレクターと比べると少ないそう……。

世界的単位だと、10万枚から。綾部さんは厳選してこの枚数。
「何を持つかよりも、何を持たないかが大事」という思いのもと、厳選されているんだとか。長岡もこの思いに「深い!」と反応。

今夜はフレンチクラシックに絞って教えていただこうと思い、
音源もお持ちいただきました!

今夜も楽しみです!と長岡。

解説付きの贅沢な時間〜

今夜はいつもとは違った雰囲気でお送りしています。
実際に音楽を流しながら、綾部さんの解説と長岡の質問。

綾部さんに選曲いただいたのは、全6曲。
フランスは音色にこだわっているそうです。かなり勉強になります。
要約して書き残したいのはやまやまなのですが、この熱量は耳で楽しんでほしいということで悪しからず……。ご紹介いただいた、フランスの作曲家は下記をチェック。
生年月日を見るだけで古を感じます…。

・ジャン=フィリップ・ラモー(1683年9月25日 – 1764年9月12日)
・モーリス・ラヴェル(1875年3月7日 – 1937年12月28日)
・ジャック・イベール(1890年8月15日 – 1962年2月5日)
・ジャン=マリー・ルクレール(1697年5月10日 – 1764年10月22日)
・クロード・ドビュッシー(1862年8月22日 – 1918年3月25日)

今夜は、レコード”過剰”愛好家の綾部徹之進さんをお迎えしました

マニアック過ぎる夜、長岡の感想は……、

「奥が深すぎるんだよなぁ〜。なかなか突き詰めている人に出会うこともないのでとっても楽しかったです! 第2回があればぜひ来て欲しい!」とのこと。

綾部さん、ありがとうございました!
また、FOURGONNETTEへ遊びに来てくださいね!
ぜひまたお待ちしております。

それでは、来週の放送もお楽しみに!

オンエア楽曲

Que reste-t-il de nos amours ? / Pomplamoose
ラモー:新クラヴサン組曲 第5組曲3番「メヌエット」/ C.ウッド
ラモー:新クラヴサン組曲 第5組曲5番「雌鶏」/ C.ウッド
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ / ジャン・ドワイアン
イベール:ハープ・トリオ / R. シャルミー(ヴァイオリン)他
ルクレール:タンブラン / C. フェラス(ヴァイオリン)他
ドビュッシー:月の光 / C. フェラス(ヴァイオリン)他

本日のライナーノーツ

お盆休みも終わり、日常生活が始まった方、まだまだ夏休みの方などいらっしゃると思いますが、8月も中旬に突入。夏ももうすぐ終わる……、いやまだまだ暑いですね。体調管理して乗り切りましょう! さて、8月19日はSUMMER SONICでした、星野源さんがキュレーターを務める【“so sad so happy” Curated by Gen Hoshino at SUMMER SONIC BEACH STAGE】を観に行かれた方、ペトロールズのライブはいかがでしたか? ぜひ感想をお待ちしておりますよ! 源さんのラジオに呼ばれたペトの御三方のトークも面白かったですね(笑)。電車の中で聴いてしまって吹き出してしまった、筆者でございます。

というわけで今回のFOURGONNETTEは、2週連続のゲスト回。今回は、何やらマニアックな匂いがぷんぷんする素敵な放送になりそうな予感です。ゲストにお迎えするのは、レコード”過剰”愛好家の綾部徹之進さん。愛好家ではなく”過剰”愛好家ということで、とても気になります。綾部さんの到着を待つ、FOURGONNETTEチーム。一体、どんな方なのか、どんなお話が聞けるのか、長岡亮介も「楽しみだ〜」と到着を今か今かと待っています。

ちなみに、綾部徹之進さんのプロフィールはこちら!
1970年生まれ。レコード・コレクター。長年に渡るテレビ局勤務を経て「レコードに全てを捧げる」ため退社。独自のネットワークを世界中に築き、海外のコレクターや博物館も垂涎のレコードを所有。(『クラシック・レコードデザイン集 ロシア&ポーランド編 レコード図案コレクション 2』より参照)

FOURGONNETTEの扉が開き、綾部さんが到着。手には今回の収録のために持参いただいたレコードの数々。このレコードのジャケットがなんとも可愛いらしい。フランス感というのか、なんというのかデザインがとてもオシャレでした。簡単な打ち合わせが終わると、収録はスタート。マニアックな夜のスタートです。

初対面で緊張しているとお話する綾部さんですが、トークに熱気がありとても流暢。長岡もそのテンションにつられるように声のトーンがアップ。冒頭から「盛り上がってきたな!」ととても楽しそう。流れるように、古のフレンチクラシックの魅力を語る綾部さん。的確に質問をしていく長岡。これまでたくさんのマニアック回をお届けしてきた、FOURGONNETTEだけれど、おそらく今回がいちばんマニアックな気がします。

「きっと長岡さんなら、すぐに音を聴き分けることができますよ!」と綾部さん。少し照れくさそうに、そして少し自信なさげな雰囲気で「そうですか〜?!」と答える長岡。音楽という共通言語で共鳴していくふたり。今回の収録はいつものスタイルとは異なり、音楽が流れる最中もふたりの声が流れています。綾部さんの説明に耳を傾けながら、音楽にも耳を傾ける。うーん、これは完全にフレンチクラシック勉強会! 普段は、メモを取りながら収録に臨む筆者ですが、マニアック過ぎる解説にペンが止まってしまいました(笑)。今夜は綾部さんの解説を頭に叩き込もうとシフトして収録を楽しみます。

綾部さんの所有のレコードは2万枚。しかしこれでも世界では少ない方。しかし、綾部さんの「何を持つかよりも、何を持たないかが大事」という考え、厳選されているからこその知識量なのか、そんな言葉に長岡も「深いな〜」と感心。きっとFOURGONNETTEという特別な場所がなければ、知る由もなかったレコード”過剰”愛好家という存在。綾部さんの熱量高い解説はぜひタイムフリーでお聴きください、ここで説明するのは難しく、そして野暮な気がします! あらたな音楽ジャンルに触れる大チャンス、みなさん逃すことのないように! 今夜の長岡さん、とても興味津々で少年のような瞳で綾部さんのお話に耳を傾けていました。

というわけで恒例のミニ・インタビューです!

――マニアックな収録の幕が閉じました。率直にいかがでしたか?

いやあ、凄まじいなと思った。古いクラシックを集めているというから、貴族のような人なのかなと思っていたら、全然違ってね(笑)。ただただ純粋に興味を見出して、音源の差がある部分を楽しんでいるところにとても共感できました。同じ曲で異なる演者というのももちろんあるし、序の口だけど、レコードのプレスした場所とかそういうものあるし、きっと楽しくて仕方ないだろうなって思いました!

――お話されているときもめちゃくちゃ楽しそうでしたもんね。

ね! でもそこには努力も必要だろうし。自分もマニアックだと思われたりしてるのかもしれないけれど、綾部さんと比べちゃうと全然ですね! そう思いました。

――音楽や持参いただいたレコードや本のデザインを含めてフランスに行った気分にもなったんですけど、綾部さんのトークもあいまって影響されたような気分というか。

それはありましたね(笑)。全然知らないで言うし、これはイメージ、僕のイメージだけどお国柄が出るんだなって思って。それがファッションもそうだと思うし、それはジャケットや見せてもらった本から感じたし、車ももちろんそうだし、音っていうのは人間味が端的に出るものですから、フランスはそうなんだな〜って思った。バックグラウンドも説明してもらったから、なおさらフランスを感じましたよね。でもお国柄っていうのは面白いですね。きっといろんな色があるんだろうなと。

古のフレンチクラシック勉強会。今回で自分も博識になった気分です。
お国柄で音色もファッションも文化も変わる、面白いですよね。
長岡亮介も終始、感心、感動、共感の嵐だった模様です。

それでは、来週のライナーノーツもお楽しみに!

文:笹谷淳介