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フランスの風

シトロエンのある景色を旅しよう

洗練されたパリの風景をはじめ、美しく雄大な田園都市、風光明媚な港町など、
フランス各地の「今」を季節感あふれる写真で旅しませんか?
歩く目線で、車の視線で、フランスの風をお届けします。
町の暮らしにとけこむシトロエンの姿もお楽しみに。

シャンパーニュ
シャンパーニュ

ヨーロッパの北に位置する国や都市は、冬の間日本に比べると日照時間がさらに短く、このようなぶ厚い雲に覆われた天気が続きます。冬空と同じ色のグレーのシトロエンで、シャンパーニュ地方を走ります。

シャンパーニュ
シャンパーニュ
シャンパーニュ

夏は青々とした葉を広げる葡萄の木々も、冬の間はこのように刈り込まれ枝だけの姿で寒さにじっと耐えながら、春を待ちます。
この一面に広がる畑で栽培された葡萄は、シャンパンになります。
フランスではお祝いごとなどには欠かせないシャンパンですが、この地方で造られたからといってシャンパンと呼べるわけではないのをご存じでしょうか?
実は、シャンパンには細かく決められた製法があり、その規定に沿ってこの地域で栽培、収穫、醸造されたスパークリングワインのみシャンパンと名乗ることができるのです。
2015年にはシャンパーニュの丘陵、メゾン(ワイン生産者)、カーヴ(ワインの貯蔵庫)などがユネスコ世界遺産に登録されました。

シャンパーニュ
シャンパーニュ

シャンパーニュ地方の中心地であるランスは、人口約18万人が住む都市で、フランスでは12番目に大きい街です。
有名なシャンパンのメゾンが集まっているため、世界中から人がやってきます。また歴史的な建造物もあり、観光地としても有名です。ノートルダム大聖堂やサン=レミ聖堂、そして藤田嗣治のチャペルなども見所です。
学生が多く住む街でもあり、カヌーが盛んなのも魅力のひとつです。街中を流れる川では、カヌーを練習している姿を見ることができます。

シャンパーニュ

ランス駅のすぐ目の前にあるポルト・ド・マルスは、2世紀前半に建てたれたとされるローマ時代の遺跡です。
その当時この辺りはローマ都市でした。街の4つの玄関口にはそれぞれ門が建てられました。そのひとつがこのマルス門で、現存する最後の門となっています。

シャンパーニュ
シャンパーニュ

お腹が空いてきたら、ランス駅からすぐのレストランLa Table des Hallesでフランスの伝統的な料理を楽しみましょう。野菜とともにじっくり煮込まれた肉厚の牛肉のポトフは絶品です。

シャンパーニュ La Table des Halles
23 Rue de Mars, 51100 Reims

シャンパーニュ
シャンパーニュ
シャンパーニュ

ランスで見逃せないのがノートルダム大聖堂です。1991年にユネスコ世界遺産にも登録されたこの大聖堂は、キリスト教ゴシック建築の傑作と言われています。13世紀に建てられたこの建物は、歴代のフランス王の「戴冠式」と呼ばれる、君主の即位を告げる儀式がたびたび行われた場所でもあり、フランスの歴史において重要な役割を担っていました。
かのジャンヌダルクもこの場所を訪れており、正面広場にはジャンヌダルクの騎馬像があります。

そびえ立つふたつの塔は左右対称で、外壁には2303体もの彫刻が彫られており、その細かな作りに驚くことでしょう。
彫刻に加えて注目したいのが、大聖堂内のステンドグラスです。中でも最も有名なのが、マルク・シャガールの3つの窓です。

シャンパーニュ

ランス駅からほど近いPlace Drouet d’Erlonはランスの中心部にある広場で、定期的にイベントなどが開催されています。中央には泉があり、そこには「ラ・グロワール」と呼ばれる像が立っています。
ショッピングセンターやテラスが建ち並び、歩行者専用のエリアが大半を占めています。旧市街は細い小道も多く、街乗りにぴったりな小型車が人気です。

シャンパーニュ

シャンパーニュ地方の多種多様なシャンパンを楽しみたい方にはこちらのお店はいかがでしょうか?お土産のためのボトルを探すのにもぴったりです。
ここはシャンパーニュ地方の28の職人的なワインメーカーによって構成され、170種類以上のヴィンテージの中から、毎週異なるシャンパンをグラスで楽しむことができます。
ワークショップや毎週違ったテーマで行われるミニッツテイスティングなどもあり、シャンパンについてより深く知ることができるでしょう。

シャンパーニュ Trésors de Champagne : la Boutique
2 Rue Olivier Métra, 51100 Reims

シャンパーニュ

シャンパンは、時代によってさまざまな形のグラスで飲まれていました。
ギャツビーの時代には、クープ型と呼ばれる平たいワイングラスが流行っていたそうです。クラシックな雰囲気のグラスですが、この形はシャンパンの炭酸と香りが飛びやすく実は適しているとは言いにくいものでした。またこのグラスの形は、ルイ15世の公妾であったポンパドゥール夫人の胸の形から型を取ったという説もあります。
その後、長細いフルート型が用いられることが多くなりました。すっと縦長の形は華やかで、炭酸も抜けにくく気泡が美しく見えます。しかし、香りが開きにくいとも言われており、最近のトレンドはこのチューリップ型だそうです。香りを引き出しながら、口当たりもフルート型に比べ滑らかで、クープ型のように炭酸が抜けることなく楽しむことができます。
シャンパンの横にあるのは、ビスキュイ・ローズ(ピンクビスケット)と呼ばれる、この地方の伝統的な菓子で、人気のお土産のひとつです。ビスキュイはビスケットという意味ですが、その名前とは違ってフワフワの砂糖菓子です。コーヒーや紅茶のお供にもぴったりです。

シャンパーニュ

シトロエンと巡るランスの旅は楽しんでいただけたでしょうか?
ではまた次の旅でお会いしましょう。

文:Chisa Mizushima
撮影:KOS-CREA