今夜のライナーノーツ

しとしと雨が降る、都内某所。街を見渡すと桜がちらほらと開花し始めている。春の訪れを感じつつ、これから起こる特別な出来事について考えるとなぜだか、自然と笑みが溢れてくる。そんなワクワクとした気持ちを誰にも悟られぬよう、私はある部屋の扉を開いた。

その場所の名は、“フルゴネット”。部屋の中央には、神出鬼没な音楽家である長岡亮介の姿が。そう、今日は、長岡亮介初となるラジオ番組、『CITROËN FOURGONNETTE』の初めての収録日。ラジオのスタジオではない、彼の特別な場所である“フルゴネット”でこの番組はスタートする。

初収録ということで、「記念撮影をしましょうよ」と声が聞こえると、その場にいたスタッフチームとともに、番組の門出を祝う記念撮影が行われた。なかば、番組最終回のような華々しい雰囲気に長岡は、「まだ、何も成し遂げてないのに〜」と冗談をひと言。そんな明るい雰囲気で『CITROËN FOURGONNETTE』は初日を迎えた。

簡単な打ち合わせを終え、「10分後から収録をスタートします」とスタッフが号令。ついに番組が始まるのかと外野で様子を見守っている、私もドキドキが止まらない。「緊張してきたな〜」と長岡。古着のCITROËNのジャケットを脱ぎ、白のモックネック姿になった長岡は音楽番組やライブでは見せない少し緊張した面持ちで収録のスタートを待っている。

「こんばんは、クリス・ペプラーです」と発声練習をする長岡。「あはは〜」とスタッフも自然と笑みが溢れる。そうこうしていると収録の準備が整った。

「こんばんは、長岡亮介です。はじめまして」。ついにファン待望のラジオ番組がスタートした。

『CITROËN FOURGONNETTE』は“長岡亮介が大人のライフスタイルを提案する” 新番組。今後は長岡の気心の知れたゲストも出演予定だが、初回は彼の一人語りだ。身振り手振りを交えながら、ひとり時間についてのこと、趣味である車についてのこと、そしてペトロールズのこと。多くの話題を語っていく。時折、心配そうにあたりをキョロキョロするものの、トークはスムーズ。

「バンドのことを話すのは、恥ずかしいんだよね」と話す長岡だが、その顔を見ると、どこか嬉しそう。長岡の趣味や普段では聞くことができない話に耳を傾けていると、あっという間に時間が流れていく。

収録は終盤、「そういえば、持って帰らないといけないギターがあるんですよね」とフルゴネットに置き忘れていた、アコースティックギターを取り出した長岡。ポロンとギターを爪弾く。「ものづくりが興味があるから、番組で見学に行くのも面白そう」と今後の番組の展望を語り、

「それでは、また来週土曜の夜10時に……。長岡亮介でした」と初の番組収録を終えた。

「緊張していました」と収録後に告白し、そのあとは番組で流す音楽のセレクト。自身の車の中にあったCDを見ながら、「どうすっぺな〜、曲は長い方がいい？　短い方がいい？」と真剣に音楽を選曲する長岡。

リスナーの皆さんはぜひ番組の内容だけでなく彼がセレクトした楽曲にも酔いしれていただきたいと思う。

終始、和やかなムードで初回収録が行われた、『CITROËN FOURGONNETTE』。あの長岡亮介がラジオ番組を？！とテンションが上がっているファンの方も少なくないはずだ。これから、フルゴネットでどんなトークが繰り広げられるのか、その模様を今後も責任を持って、レポートしていこうと思う。番組だけでなく、このレポートも週に一度の楽しみにしていただけたら幸いだ。